うーん、と美姫は要領を得ない目付きになってから、

「崚はねー…言ってくれない」

「言わないんだ」

美優は内心、

──美姫みたいな美人でも、完璧に愛される訳じゃないんだ。

と、それを美優は女として寂しくもあり、しかし自分と同じ場合もあると分かって、何となく戦いに勝ったような気持ちも懐(いだ)いた。