作品を見ながら美優と貴慶が歩いていると、

「よっ」

貴慶の肩を後ろから小突いた、大柄な男がいた。

「よっ、久しぶり」

どうやらこの背の高い男が、實平慶らしい。

「まさか白川が来るとはなー」

「いや、彼女のおかげさ」

と貴慶は美優をさし、

「確か美優の友達のとこからチケット来たんだっけ」

「うん」

美優はうなずいた。