学校に着いた。

見ると、確かに美優の鞄はファスナーが噛み合わなくなっている。

「よく見てるなぁ」

気づいて咄嗟に白デニムは、自分のエコバッグを渡したのであろう。

「でも返さなきゃ」

とは言うものの、鶴見にバイクで来る白デニム、しか情報はない。

「そんなの気にしないで、もらっといたら?」

などと美姫は言うのだが、美優は気が引ける。

案が浮かぶまで少し考えることにしたのであった。