「美優、ごめん…」

「貴慶ってさ、どうしてそうやって隠すの?」

「別に隠そうとしてるのとちゃうのや」

「美姫のママのことも、今のチョコのことも、こないだの妹のことも、みんな…みんな…」

激しく罵ったあと、美優は急にこらえきれなかったのか、肩をふるわせて泣き出した。

ようやく貴慶は、美優を慮ってやっていたことが、翻って美優を傷つけていたことに気がついた。