それでも。 (どうしたら貴慶の力になれるかな?) と美優は思っていたし、美優も日本とフィリピンのハーフで、自分が何人なのか分からないときがある。 (貴慶はハーフじゃないけど、インサイドでなくアウトサイドなのかな) と美優も抱いていた鬱窟としたものを、貴慶が持っている事実だけは、このとき気がついたようであった。