美優は夜景を見ながら、

「ねぇ、貴慶」

「ん?」

「美姫から聞いたよ、綾香さんのこと」

「さよか」

「最初は何で隠すのかなって思ったけど、ちょっと冷静になって、貴慶の性格を考えてみたら、何か納得できた」

「えっ?」

貴慶は向き直った。

美優は眼下の夜景を向いたまま、

「だって貴慶はさ、いつもあたしのことだけ気にしてくれてるじゃん」

「まぁな」

「それであたしがヤキモチ妬いたら、何かみっともないって気がしてさ」

美優は振り向いた。