遠くで、パレードの音が聞こえる。 人もぞろぞろとそっちの方へ向かってるみたい。 でも、私と河本くんの間と、その周りの空気はずっと止まってて。 「あ、のさ、」 河本くんが発する、次の言葉を待つ。 「これからも、2人とかで出かけたりするの、誘ってもいい...か?」 少し赤らんだように見える河本くんの顔。多分、遠くのパレードの明かりだ。多分。 「うん...いいよ」 そう言って答えた私の顔は熱くて。 多分、昼間に食べたたこ焼きの熱が今ぶり返してきたんだ。