私はそんなに可哀想ですか?

若干怪しい呂律で町田が絡んでくる。俺の記憶では町田とはそれほど交流はなかったはず、少なくてもこんな風に肩を組む間がらではなかった。

「お前が来ねーから浅田はなぁ・・・」

「あーあー!町田君酔ってるわね、ほら、少し外の風に当たった来たら?」

浅田が不自然に割って入り、町田の背中を押して部屋を出て行った。

浅田は、何?

いい加減に酔いが回ってきた頃、腕時計に目をやると9時半を少し過ぎていた。

そろそろ潮時か。

町田は既に回らない呂律で2次会の話をしているし、目的は果たせたので静かに退散する事にした。

誰の視線もない事を確認してから鞄を持ち、部屋を出て出口へ向かう。