私はそんなに可哀想ですか?

ではなく、つい今朝見た顔。

「ええ、そうですが・・・」

「やっぱり!ずっとそうじゃないかなって思ってたんだけど、間違えたら恥ずかしいから中々声かけられなくて」

ずっと?

「私、浅田千絵、覚えてない?」

勿論覚えている。

つまりはそうゆう事だった。

毎朝バスで顔を合わせていた2、3歳下の物悲しげな顔をしたキャリアウーマンは、俺が3年間片想いをしていた女性だった。

3年間も片想いをしていた俺は彼女だと気付かず、彼女は高校のたった1年間同じクラスになっただけの物静かなクラスメイトかも知れないと思っていたわけだ。