私はそんなに可哀想ですか?

その中で自分の事を覚えている人間が何人いるだろう?

多くても2、3人と言ったところ、それも希望的観測に基づいた数字だ。下手をすれば誰も覚えていない可能性だってある。

このまま帰ってしまおうか

「あの、間違えてたらすみません、もしかして御手洗司君?」

そんな事を考えていた時、背後から声をかけられた。何年振りかにフルネームでも呼ばれた気がする。

振り返った俺の前には見知った顔があった。

20年以上昔の高校の同級生。