「ハッピーバースデー」

「おばあ様、おめでとうございます」

おばあ様の誕生日は木曜日だったのだが、
プレゼントだけ木曜に渡してもらい、
パーティは皆がそろう土曜日にした。

おばあ様の着物の帯は、プレゼントした物、
季節にも合って、気に入ってもらえたようだ。

「おばあ様何歳なんですか?」

「女性に年・・」

「76歳だよ」

「修一郎!」

「えっと、今日は手巻き寿司ですよ、ほら、海苔にご飯乗せて」

そんな微笑ましいやり取りが続く。

「そう言えば、修一郎さんて何歳なんですか?」

「27歳だよ」

「え?」

てっきり30代だと思っていたので、思いっきり驚く。

「舞さんはいくつなんだい?」

「24歳です」

「え?」

今度は修一郎さんが、驚いていた。

「何歳だと思ってたんです?」

えーと、とごまかそうとする彼の腕をゆする。

「22歳ぐらい、かな」

「なら許します」

「僕の年も驚いてたよね、何歳だと思ってたの?」

「秘密です」

「舞はずるいなぁ」

「何やってんだい」とおばあ様。

手巻き寿司とはまぐりのお吸い物を楽しみながら、一日が過ぎたのだった。