水野は、高校を卒業したあと、転勤がよくある会社で働いた。

私は、その頃、ひきこもりになっていた。

水野は、仕事が休みの日、よくドライブに誘ってくれた。

私は、海が見たいというと、近場の海へ連れていってくれた。

水野は、よく言った。

「外の世界は面白いぞ。」

でも、水野に誘われない限り、私は外に出なかった。

なんだか怖かった。

水野は、転勤族で色んなところで働いていた。

そのたびに、誘われて、その土地でご飯を食べたり、遊んだりした。