インターフォンが鳴って、そんなものは無視して、それでも携帯が大騒ぎしている。
 俺のも、朱莉のも。

 仕方なく携帯を確認すると爺だった。

「はい。何?」

「あの……すみません。
 全部聞こえておりますが……。」

「あぁ。知ってる。」

 爺はフクロウだ。当たり前のことだ。
 何も会社用とプライベート用の両方でかけてこなくても。

「いえ……坊っちゃんがよくても……。」

 気づけば朱莉が真っ赤な顔でわなわなと震えていた。

「健吾さんなんて大っ嫌い!!!!」