_____まずい。これはまずい。



周りにはバレー部の友達もいた。だから、なんとか話を逸らさないと....




「えっとー、私お兄ちゃんいるからさー、まぁアニメとかはよく見るんだよね〜ははは。」



苦し紛れの言い訳をして、少しでも早くここから立ち去ろうとした。けど。あぁ、夏月くんの目が_____すっごいキラキラしております...。




「このアニメよく見ると、声優陣が豪華なんですよね、なんであまり流行らないのか不思議なくらいで、特にこの主人公の声なんか稀にみるイケボっ...!」








「.....っ!!分かる!!14話で主人公が泣くシーンとか、もう声優の感情がこもった声に泣かされるわ、BGMに泣かされるわ、アニメの画質の良さに泣かされるわで...!!ほんとこのアニメ作った人神だとおも、う......」




...って何語ってんだわたしぃ!?!?!?

だめだ、完全に夏月くんの勢いに流されてしまった....。


幸いにも、部活の友達は私達の会話に興味がないようで、個々で会話をしていた。

(よかった...。)


そんな私の気持ちを知ってか知らずか、夏月くんは語るのをやめて少し困ったような顔をして私をみた。


「あ、すいません、1人でずっとしゃべってて。このアニメを知ってる人が周りにいなくて......。

...すごい、嬉しくて。」

キュン





___あ、夏月くんもそういう風にわらうんだ。

ちょっとかわいい...。





「...いや、きゅんてなんだ、きゅんて」

「...はい?」

「あぁーいやごめんこっちの話!」




思わず心の声が出てしまった...。

きっと初めて後輩というものができて嬉しいんだ私は。うんきっとそう。そうにちがいない!!!