こんなに好きなのに





「はーい!じゃあカフェで笑い合うカップルな感じでいきます!
自然におしゃべりする感じでいいから、普通に喋ってるだけでいいよ!」





「はい!」




なんだ、結構楽



俺はコーヒー

愛は紅茶




さて、どっちが先に会話を切り出すか…


それは…愛だった




「ねね!誠人いつの間にモデルになってたの?聞いてビックリしたよ!」



「あぁ、なんか俺が最後に見学に来た日」



「…そうなんだ」



なに、急に落ち込んでんだよ


表情がさ……撮影中だよ



「どうしたの?」


俺は少し優しく、今日ばかりは笑って過ごそうと決めた




「いや、あのね、この前はごめん!」



少し大声で言ってきた


でも、まわりのスタッフは気づいてないらしい



「なにが?」




「帰ってだなんて言って、ごめんなさい!」




「全然、気にしてないよ、大丈夫」




「ほんとに?」



「ほんと」