この日もあたしは撮影に追われていた




パシャ


パシャ



こんな時間が唯一誠人を忘れられる時間




だけど…


ふと正面にある椅子が目につく


これ、誠人が座ってた


あたしを見てくれていた


恥ずかしかったけど、嬉しかった



今は、相手にもされない


あたし完全に嫌われてる。






「愛ちゃーん!どうしたのー!」



「…へ?……あぁ!すみません!!!」



パシャ


パシャ



あたしったら、諦めるって決めたのに、大好きな撮影にまで影響を及ぼしていた