ひとり、夏色


めんどくせー、と

頭をかく私に

母さんが言った。

「でも普通喜ばない?

だって千早くんよ」

「意味わかんない

んだけど」

「あんた知らないの?

いくらテレビみなく

ても、ファッション誌

のひとつでも

読んでたら知ってる

でしょ?彼のこと」

「は?」

私は首をかしげる。

「芸名、小岩井ちはや。

STVのメンバーの」

「え」

一瞬、呼吸が止まった。

嘘。

私はリビングに

駆け込み、

座っていた千早の

顔面をまじまじと

覗きこんだ。

嘘、いや、マジじゃん。

「うわあああ!!」

腰をぬかす勢いで

私は叫んだ。