「カーディガン! 早く取らないと風で飛ばされちゃうの!」 「カーディガン?」 怪訝そうな顔をする拓夢をよそに、私はフェンスの上を指差した。 「なんであんなところに…?」 なんて不思議そうな顔をする拓夢に、 いろいろ事情があるのよ! なんて言えるわけもなく。 早く取らないと、と思い再び立ち上がった私を拓夢が止める。 「…ちょっと待ってろ」 「へ…?」 そういうと拓夢はフェンスを軽くよじ登り、一瞬でカーディガンをとってみせた。 それは、ほんの一瞬の出来事だった。