桜の花が咲き、ぽかぽかと暖かい陽光の中。


-2025.4/1-
わたし、吉野 佳奈(よしの かな)は若竹高校に入学します。

新品の制服を着て、なれないローファー。なれない道を歩き

今日から3年間通うキラキラとした学校生活を夢に見て入学式へ…



だといいですが。私はこんな高校に行く予定ではなかった。
第一志望の、桜ノ宮高校に行きたかったのだ。
私はそこそこ頭が良く、難関私立高校の桜ノ宮は誰もが受かると思っていたのですが



当日の朝、いきなりお腹のあたりに激痛が走り…その痛みのせいで試験に受けることが出来なかったのだ。


こうして仕方なく、若竹高校に入学したのだ。






「ママ、入学式なんか来なくていいよ」


「だめよ!佳奈ちゃんの制服姿、パパもママも楽しみにしてたんだから!」

相変わらずの親バカだ




「佳奈ちゃん!新入生は教室で集合してから
行くんだって。ママは先に体育館行ってるね!!ファイトー!」
ママが張り切ってビデオカメラでこっちを撮影している。




バカらしい。何が嬉しくてこんな高校に…若竹の全てが嫌で仕方がなかった。


「えっと…私のクラスは特進の…」

と前を見ずに手もとの紙で自分の名前を探していた


バァン!!

「あっ!!すいません。前見てませんでした」



どうやら、前の人の背中に突進したようだ。




「ちっ、気おつけろよ。いてぇな」と相手の人が



「ごめんなさい。」というともうその人はいなかった

は?ふざけんな
こっちが、丁寧に謝ってんのに感じ悪すぎだろ!と心の中で愚痴った


不機嫌になりながら、教室へ。

やっぱり特進でも私よりはみんなアホそうだ。

早く席につこう…。

「吉野…よ…し…の。
あ!あったこれだ。」



吉野は大抵、後ろだ。



「おーい。みんなー!今日から担任を務める永野だ。よろしくな」

30代のクールな男の先生だった。

「みんな!早く廊下に出席番号にならべー!」
と大きな声でいった