うちの親は子供のことを干渉しない、と言うより、自分以外のことには興味がない、と言ったほうが正しいだろう。
パパとママの最大の関心事は、極めて生活に密着したこと、自分の収入や、ささやかな節約や、不必要な浪費や、百円レシピとダイエット……。そこに教育は入っていない。


その証拠に私の退学劇にあって、最もママを怒らせたのは、急遽学校に出向かなくてはならなくなり、仕事を早退させられたことだ。早退や半休は、ボーナスの査定にひびくのらしい。


パパに至っては露骨に、無駄なった月謝の金額を電卓で弾いていた。


要するに今頃になって理解したのだが、うちは、貧乏とまでは言わないが、決してお金に余裕のある家ではなかったのだ。

多分本当のところでは、私が、月謝の馬鹿高い私立の女子高を辞めて、ホッとしているはずだ。

だから、退学後の私の進路について全く触れてこないのだ。