『はー、サラ?
本当のことを言うんじゃなかったのか?』

呆れたイロハの声が頭に響いた。


『サラ、大丈夫。僕がいるから』

私は意を決して声を出した。


「お父様、お母様

私は記憶を失ってはいません。

お父様とお母様が
会いに来てくれていたことも
電話をくれていたことも知っています。
誕生日にプレゼントを
くれていたことも…」