私は相変わらずな
生活を送り続けています。

上司や同僚達は
何時も私の心配をしてくれます。

彼が行方を眩ましてから
八年目の春が来ました。

私の元にも上司や同僚達の元にも
いまだ連絡はありません。

当時の彼の歳を
とうの昔に越えてしまいました。

夏が過ぎ、秋が過ぎ
冬に入ろうとした
十一月の終わりに
突然、彼は帰って来たのです‼

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

十一月最終日。

後数時間で十二月になろうと
していた時、
突然、玄関の開く音がしたのです。


急いで玄関に行くと
そこには八年前
行方を眩ました彼がいました。

歳をとったはずなのに
八年前と変わらない彼が居たのです。

私はその場で
泣き崩れました。

【お帰りなさい】と
言えばいいのか
【八年も音沙汰なしで
何をしていたのか】と
責めればいいのか
わからなくなってしまったのです。

彼が此処に
帰って来てくれたことに
ただただ安堵したのです。

いつまでも玄関にいては
風邪をひいてしまうと思い
彼をお風呂場へ向かわせました。

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

彼を問いただすのは
夜が明けてからにすることにしました。

今は二人で一つのベッドで
一緒に眠ることにします。