屋上の扉を開けると夕陽がまぶしくて目を閉じてしまう。 風が吹いているのを肌で感じた。 一歩、また一歩進んでいく。 「先生、私を先生の元に連れて行って…」 つま先が地面から飛び出る。 目を開けたら、きっと躊躇してしまう。 だからそのまま体を前に倒す。 下に向かって風を切る感覚。 落ちている、胃が浮く感覚。 もう思い残すこともない。 私には先生が全てだったんだよ…