「夏未ー!担任が呼んでるよ」 そう声をかけてくれるのは親友の桜井 真緒(さくらい まお)。 きっと、私と先生の関係を知っても、笑ったり馬鹿にしない。 1番信頼のおける子。 「井上。 古典の飯島先生から手紙を預かってるんだ」 1通の手紙を受け取る。 間違いなく先生の字だ。 ほとんど人のいなくなった教室で封を開ける。 何で急に手紙なんか… 心臓の音が全身に響く。 指先が震える。 …何だか悪い予感がしてたまらない。