私はその日、家に帰ったらすぐに洗濯をした。

"洗濯"って言ったって、洗濯機をまわすだけだけど。

それでもいいの。

私の気持ち。ぜんぶぜんぶ込めるの。



…なんて。少女漫画っぽいことを考えた。

考えただけでも恥ずかしくなった。



洗濯をして、乾燥をかけたあと。

陽菜は翔くんのジャージにお気に入りのコロンをちょっとつけた。



シトラス系の香りだから、甘ったるくならないはず。



このコロンは翔くんに合いそうな匂いだと思って買ったやつだから、きっとあうはずだ。

明日にはこのジャージも返さなきゃいけないのかあ。



陽菜はちょっと考えた後、


ジャージをもって自分の部屋に行った。




「これは、陽菜だけの秘密。」




そう言うと。


陽菜は顔を赤くしながら


翔くんのジャージーにキスをした。




我ながらけっこー恥ずかしいことをやってるな。