第8章【アカイとダテ 前編】










6月に入り制服も冬服から夏服に衣替えした堂々秀高校。


中間テストが近づき、生徒は放課後も残って勉強したり、

普段部活をしている生徒もテスト週間に入ると帰宅している。













「…って先生!聞いてる!?」


職員室前の廊下では、2年6組生徒 オオシマがカドクラと立ち話をしていた。



「あぁっと…ちょっと待ってね。」


カドクラはポケットから携帯を出す。
着信を見るとエンドーの名前があった。





カドクラは携帯を閉じる。


「アカイの分のプリントでしょ。取ってくる。」









一旦職員室の中に入ったカドクラはすぐに戻ってくる。


「はい。」


カドクラはオオシマにプリントを渡す。




「ありがとうございます。」


「アカイにお大事にって伝えといて。」


「うん。じゃあさようなら。」



「あ、オオシマ。」


「はい。」


「お母さんとは最近は…」


「先生毎日同じ質問しすぎ。もう大丈夫だよ。」


「そっか。」





再びカドクラの携帯のバイブが鳴る。