第4章【託された任】









「校長先生は本日教育委員会へ出張しています。
何かありましたら私へ報告お願いします。」



堂々秀高校職員室では朝のミーティングが行われていた。



「私からは以上です。
何か他にありますか?」


教頭が周りを見渡す。



「あ、すみません。」


生徒指導で体育教師のタケダが手を挙げる。



「明日からゴールデンウィークに入りますが、

生徒達には深夜徘徊や危険な遊びなど、
くれぐれもしないよう喚起を担任の先生方お願いします。」



「担任の先生方よろしくお願いします。
何か他にありますか?」





「はい。」

エンドーが手を挙げる。


「一応今日を持って2ー6の担任であるナガノ先生が産休に入ります。

GW明けから副担のカドクラ先生が担任となりますが、他の先生方どうぞご指導をお願いします。

ついでに私もちゃんと面倒見てください。」




最後の一言で職員室に笑いがこぼれる。



エンドーの隣に立つカドクラにも笑みが浮かぶ。





始業式からはや1ヶ月。


とうとう今日でナガノが産休に入る。









「それでは今日も1日よろしくお願いします。」


ミーティングが終わり教師は各自に戻る。


カドクラは席に戻ったあとすぐに6組へ向かう。


ナガノは病院へ行ってから登校するので、
朝のHRはカドクラが行う。


1ヶ月が経ちちょくちょくこのようなケースがあった。



だいぶ生徒の顔と名前も覚え始め、
カドクラは順調に6組に溶け込んでいる手応えを掴んでいた。