第24章【失意の果てに】










0時を過ぎ、日付は新しい日付になる。


街中には誰も人がいない。




「ハァハァハァ」


そんな街中をカドクラは全速力で走っていた。



信号を無視し、休むこともせず、カドクラは走った。













やがてとある病院にたどり着く。



看護師に促されても、病院内をカドクラは走った。




「タカハシー!!!!」





曲がり角を曲がった先に手術室が見えた。


『手術中』と赤いランプが灯り、目の前のベンチには数人の人間が座っている。




「・・・・・・・・・・」


肩で息をするカドクラは言葉を失った。




視線の先には母親と思わしき女性が顔を覆い、号泣している。


その隣で父親と思わしき男性が女性を抱えていた。






「カドクラ先生・・。」


カドクラに話し掛けたのは堂々秀高校第85代校長 アザクラだった。



「意識不明の重体だそうです。」


アザクラは小声で伝える。



「・・・・そんな・・・」


カドクラは頭の中が整理できない。




分かっている事実は、

タカハシが自宅マンションの屋上から転落し、ここに搬送されたことだけだった。