第18章【ノノムラの涙】










「おいっす。」



月曜日の朝 職員室にエンドーがやって来る。


「おはようございます。」


既に登校していたカドクラはおにぎりを食べていた。



「仕事の虫のカドクラが金曜日は割りと早かったじゃん。」


「華の金曜日でしたからね。」


「月曜日は何年経っても泥だな。」


「たしかに。」










ガラガラ



生徒指導で体育教師のタケダが入ってくる。



「おはようございます。」


「タケダさん月曜から早いっすね。」



「あ、カドクラ君でもエンドー君でもいいけど、これ誰の携帯か分かる?」



タケダはジャージのポケットから携帯電話を取り出す。



「いや、知らないですね。」

エンドーが答える。



「ちょっと見せてください。」


カドクラは手に取る。





「ん~ごめんなさい。分からないです。」



携帯をタケダに返す。



「その携帯どうしたんすか?」


「今職員用のトイレに落ちてた。
もし誰か探していたら俺が持ってるって伝えといてな。」



タケダは職員室を出る。



「どっかで見たことあるなぁ。」


カドクラが呟く。



「カドクラ、連れション。」


『トイレ』というワードを聞いたからか、エンドーは尿意を催す。