[千織side]



「ちーちゃん」



何故か何も言わず消えた洋くんが、冬の香りを連れて戻ってきた。



「あれ?洋くん外行ってたの?」



聞けば洋くんは小さく頷いて。



「外の空気吸いたくて」



「そっか」



どこかいつもと違う雰囲気。



洋くんの視線が真っ直ぐで力強い。