次の日、憂鬱な学校は私に構うことなく、通常通り始まった。



「なあアユ、なんか有栖今日も元気なくね?生きてんのあいつ」



「生きてないでしょうね、あの様子は」



「あぁやっぱり?」



キョンタと莉奈は、私が机に突っ伏したままなのを見てそんな会話をしている。



だけど2人が、そうなってる理由を聞かないのは気を遣ってくれてるからだ。



「というか綾瀬は?この時間、いつもなら来てるよね?」



「拓巳が遅刻なんて珍しいな」



たくちゃんの名前を聞いて、ビクッと体が揺れた。



(たくちゃん、今日来ないのかな…)