「流星、これありがとう」



しばらくして、出てきたのは新庄で。



「全然。今日帰り一緒に帰れる?」


「うん。大丈夫!」



その笑顔がすごく明るいもので。
俺のことを好きなんて嘘で、新庄のことが好きなんじゃないかとさえ思えてくる。



「……っ」



2人が一緒にいるところなんて見ていたくなくて、背をむけて自分の教室へ入る。



「おい、上田。わかったんじゃねぇの?自分の気持ち」


「なぁ、ヒロ。なんなの、これ」


「どれ?」


「俺に笑顔なんてほんとたまにしか見せてくれないのに、新庄見せてた笑顔なんてかなり自然で……俺、すっげぇ嫌だ」



荒れた気持ちのまま自分の席の椅子を引くと、思っていたよりも大きい音が出てしまったようで、クラスの視線が俺に注目する。



「だから、それが好きってことだろ?」


「なんで、こんな苦しいんだよ。恋ってもっと楽しいんじゃねぇのかよ」



想像してたよりもかなり重くて苦しくて。
頭の悪い俺には全然ついていけない。