ごめん。俺、バカで

「どうしてかはわからない」


「上田はさ、他の誰かが笹波さんといてもなんとも思わない？」


「え？」


「俺は心結がほかの誰かといるなんているだよ……悠貴だから許してるけど」



悠貴ってのは、ヒロの中学の友達で。
いまは心結ちゃんな彼氏らしい。



「そうだなぁ……」



そういえば……と考えてみれば、隣のクラスの新庄と一緒にいる千愛希ちゃんを思い出す。



「どう？」


「この前、新庄といるのみたくなくてさっさと帰ったわ」



当たり前のように〝千愛希〟なんて呼ぶ新庄にムカついたなぁーとあの時の感情を思い出す。



「好きだから、なんじゃん。それ」


「……好き？」



いままで自分にはどうも現れなかった感情で。
どうしたらいいかわからなく、戸惑う。



「お前病気病気言ってるけど、それ胸がとか心臓がとかじゃねぇよな？」


「え！？すげぇ！なんでわかった！？」



ヒロが急に天才に見えてくる。