「俺は中学の時に付き合った子がいて、すげぇ好きだと思ってたんだけど違ったんだよね」


「違う?」


「うん。ただ、小学校からずっと一緒で楽だっただけだった。心結のこと好きになって、これが本当の恋だって知った。まぁ、失敗したけど」



そんなことを言いながら、髪の毛をかきあげるヒロはスゲェかっこいいと思った。

ヒロはもちろんかっこよくて、モテるけどそういうことじゃなくて。
心結ちゃんのことを話すヒロはやっぱり優しい目をしてる。



「ヒロって心結ちゃんのこと話す時、優しい顔になるな」


「ははっ、まぁ好きだからな。隠さねぇよ」



好きな人のことを考えるとそれだけで優しい気持ちになれるのか。



「……俺は」


「ん?」


「千愛希ちゃんとこのまま話せなくなるのは嫌だ」



なんでかはわからない。
でも、話せなくなるなんて考えたくない。



「それはなんで?」



聞かれると思って考えてはみたけど……。