「愛麗、行こう」
「うん」
怒りを越えて呆れた。
私は、それ以上何も言うことなく、愛麗と二人で教室から出た。
丁度、その時、授業開始のベルが鳴り響いた。
「っ………」
この時、私たちは真菜がどんな表情で私たちを見ていたかなんて知るはずもない。
歯を食いしばって、真菜の目には薄く涙が浮かんでいた。
だんだんと歯車が、狂い始める。
side 疾風
持っていた携帯をポケットに入れて、小さく息を吐く。
「疾風」
名前を呼ばれて振り替えれば、ニタついた顔をした片割れの姿。
「………なんだよ」
ギロリと睨んでも、慣れてる奴はピクリともせず、笑みを深めるばかりだ。
常に笑っている片割れだが、こんな時は猶更質が悪くなる。
「聞いたよ。遥ちゃんと会うんだってね」
チッと舌打ち。
やっぱりこいつの耳にも届いていたか。
「悪いかよ」
「別に?嬉しい限りだよ」
やっと見つかったみたいだし?と優は俺の肩に手を置く。
「しっかし、遥ちゃん全く覚えてないみたいだな」
「………あぁ」
「甘いもの好きは変わらず?」
「幸せそうに食ってた」
「そっか」
クスクス笑う優の手を肩から落とし、俺は、歩き出す。
そのとなりに当たり前のように並ぶ優。


