愛し紅蓮の瞳

全然ロマンチックなんかじゃなくていいから、せめて人並みには愛し愛されて生きたい。

この人となら……そう思える人のお嫁に行きたい。


そう思うのは、何か間違っていますか?
カルチャーが違いすぎると思うの。

私は、恋愛結婚がしたいの!!!


「……お前が妃になるなら、俺は他に女は作んねぇ」


「……へっ」


「一人も二人も愛せるかよ、めんどくせぇ」


「……愛してくれる気はあるんだね」


「分かんねぇ。愛し方とか知らねぇし。でも、」



紅蓮って、なんの迷いもなく真っ直ぐに人の目を見るよね。それ、案外 心臓に悪いんだから、気をつけて欲しい。



「で、でも……?」


どこまでも紅いその髪が、優しく揺れるのを見つめながら、やっぱり私の心臓は落ち着くことなく高鳴っている。



「大事にする」


「……っ、」



私の頭にゆっくりと紅蓮の手が伸びて、ポンッと軽く触れた。


『大事にする』って、どんなだろう?
紅蓮に大事にされるって……とんなだろう?


紅蓮をこれっぽっちも知らない私は、ほんのちょっとだけ紅蓮がどんな風に大事にしてくれるのか……知りたいような気がしてしまう。


だけどこれは、紛れもなく好奇心。
好奇心だけで紅蓮の言葉に頷けるほど、私も子供じゃない。