愛し紅蓮の瞳



「……誰なの?紫黒の巫女って、何のこと?」

思わず、水面に手を伸ばして、触れた瞬間。

「っ……!」


──熱い。

冷たいはずの水が、燃えるように熱く感じた。
そして、視界が白く弾ける。

「なに……これ……!」

立っていられない。
身体が宙に浮いたような感覚。

かと思えば、今度は落ちる。


「……っ、何!?ど、どうなってるの!?」


どこへ?

分からない。

何もかも、一瞬の出来事すぎて。
これは現実?それとも、夢?

それすら、分からない。

ただ、意識が飛ぶ寸前、最後に見えたのは──



「……綺麗」


赤い瞳だった。

炎のように赤く、それでいて、どこか寂しそうな。
なのに、すごく綺麗で、吸い込まれそうな紅蓮の瞳。