愛し紅蓮の瞳

静かすぎる部屋の中にポカポカとお日様が差し込んで、こんな時だと言うのに私の眠気を誘う。


「……光蓮様、これを話すべきかずっと考えておりました。しかし、信頼する光蓮様には真実を」



「楓殿、東雲と東里に隠し事は無用。述べてみよ」



私を庇うように口を開いた楓さんがこれから光蓮様に何を言おうとしているのか、私には予想がついた。


だから、私を気にかけて言おうか言うまいか悩んでいる楓さんを後押しするように、私は楓さんの手に自分の手を重ねて少しだけ微笑む。

楓さんが信じる人なら、私も信じようと思えるから。


もし仮に、私が身元不明のどこぞの間者だと思われたって、それはその時。
もう異世界にワープしてる時点で私の生きていく術はここでしか見いだせないのだから。楓さんのもとでお世話になるということは、光蓮様にお仕えすることを意味する。


つまり、身元の分からない私を、光蓮様が受け入れえてくださらないことには、前に進めないんだ。



それを、楓さんは最初から分かっていたんだろう。



私の手をギュッと握り締めた楓さんの手。

まだ出会って数時間だというのに、なんでこんなにも安心するんだろう。