愛し紅蓮の瞳

「この手離したら今度こそお前、狼の餌食だからな」

「な、なんでそんな怖いこと言うの?なら、もっとゆっくり走ってよ!!ただでさえ、いつ落ちるかビクビクしてんのに!」

「ま、あれだ。落ちたら落ちただ」



サラッととんでもないことを言いながら、その口元は小さく笑う。



「え!?ちょ、本当に離さないでね?」



不安になって、ギュッと力を込めた私の手を



「……馬鹿、そう簡単に離してたまるかよ」



やっぱり、小さく笑ったままの紅蓮が握り返してくれるから


ドキドキと、驚くほどに早くこの胸は加速していく。



「……っ!ちょ、い、今の……!今のもう一回言って!」

「はぁ?」



もう、誤魔化せないくらいに強く、

引き返せないほどに深く。


私の心はただ、強く気高く、時に孤独で、

だけど本当は誰より優しい、


そんな紅蓮に恋焦がれている。