手を繋いで歩き出した2人。
「間宮、さぼったの初めて?」
「当たり前でしょ!岡崎は?」
「俺は2回目だけど」
「ふうーん、だから耳にピアス開けてんの?」
「っ!なんだよそれ?これはファッションだから」
「へえー、言い訳してる」
「うるせー。ところでさ、どこに向かってる?」

「ゲーセン行こうよ。プリクラ撮りたい、岡崎と」
「は?なんでもいいけど」

「あのさ、手離してくれないかな」
「あ?いいじゃん。嫌なわけ?」
「いやって言うか、ドキドキするから」
「あ、そう。ごめん」
「別に謝らなくても」


2人そっと手を離した。
響子はホッとした。と思ったら、石につまづいて転びそうになった。
「あっ」
「セーフ」
祐介がとっさに支えてくれた。

「ありがと」
「ほら、やっぱ繋いでないと危なっかしい」


祐介はそっと響子の手を握った。
「岡崎優しいんだね」
「そうするのは間宮だけだから」
祐介は恥ずかしくなってそっぽを向く。


「あっ、照れてる岡崎。そんな可愛い一面もあるんだ」
祐介の顔を覗き込む。

「そんな見るなって。キスしたくなる」
「いいよ、しても」
「バーカ、そういうことは大事な時にする」


「なんかつまんない」
祐介はいきなり響子の唇にキスした。
「ん......」

「黙れよ。黙んないともっとするからな」
ついに岡崎にキスされた。

「ほら、ゲーセン着いたぞ」
平日の午前はさすがに誰もいなかった。

UFOキャッチャーのところに行き、響子が一言。
「クマのぬいぐるみ可愛い。とって」
「ああ、いいよ」

小銭を投入口へ入れる。
機械が動きだして、ボタンで調整しながらぬいぐるみを獲得しに行く。

「あ、もうちょっと後ろ後ろ、前、前!そこ!はいとって!」
祐介は1回でクマのぬいぐるみをGetした。

ぬいぐるみが出てきて。
「はい」
「ありがとう、岡崎」
「女ってぬいぐるみ好きなんだな」
「うん、好きだよ。次プリクラ行こう」
祐介の腕を掴みプリクラのスペースに入る。


「プリクラの中ってこんな風になってんだ」
初めて入るプリクラに緊張する祐介。
男だからプリクラなんてものに入らない。

やべっ!超狭い。間宮可愛いすぎ。
「そうだよ」


響子は、シールの枠組みとか色々設定をしていた。そんな真剣な表情の響子の頬にキスした。

「えっ、なんで今キス?」
「したかったから」
驚き半分、嬉しさも半分。赤く染まる響子の頬。
「じゃ、撮るよ」
「おう」
響子がボタンを押したら祐介はとっさに肩を抱いた。

出てきたシールを見ると。
「間宮驚きすぎ。、目見開いてるし」
「岡崎は余裕で笑ってんじゃん」

プリクラから出てきた2人。
「はい、これ岡崎の分。なくさないでよね」
ハサミでシールを半分にして渡す。

「お前、ハサミまで持ってんの?」
「うん、女子はプリクラ撮ること多いから」
「気をつけろよ、ハサミ危ねえから」
「えっ?小さいやつだよ?」
「それでも」
「うん、ありがと」

自分を気遣ってくれたことに嬉しくなった。
さりげなく祐介の腕を組む。

「なに?」
「こうしたかったの」
「ったく!可愛いやつ。それよりさ、飯食わねえ?腹減った」
「うん、私もペコペコ」
「ついでに、間宮も食いてえけど」
真顔で言う祐介にドキドキした。

「えっ、なに言ってんの?もう」
祐介の腕を思いっきり叩く。
「冗談だよ。本気にした?」
「うん、ちょっと」
「お前可愛いからさ、からかっただけ」

恥ずかしすぎて祐介の顔が見れない響子。

祐介は、響子の手をさりげなく繋いでファミレスに向かう。