クール気取ってんのかな、尋くん! 「栗田くん、聞いてますか?」 「あっ、ハイッ!?」 突然先生に当てられたことに驚き、思わず声が裏返ってしまった。 当然、教室のあちこちから笑い声が聞こえてくる。 「じゃあここの文、訳してくれる?」 「…はい」 幸い、当てられたところが昨日尋くんに教えてもらったものだった。 これ以上の笑いものにはならずにすんだ。