「青井君、本選の曲はさくら学院のFLYAWAYでいいの?」

「大丈夫です。
俺はこの曲なら本選でも勝てると思ってるので」

「ならいいけど」

その時、明梨さんはあっと言った。

「確か本選のときって一般公開日よね?」

「はい…」

桂碁は彼女の質問の意図がよくわからなかった。

「どういうことなんですか?」

「本選がFLYAWAYだと私がみんなのチャイムを見れないってこと」

「じゃあ逆にします?」

「いやもういいわよ。
だって今からこれを完璧にするのは大変よ」

これを決めたのは4月も下旬に入りかけていた頃だった。