****** 外に出たとき、水野さんの表情がやや曇っていた。 しかし、営業車まで向かう足取りは、入る前と全く変わらず、相変わらず仕事ペースである。 水野さんが、俺の方を見た。 「さ、次のところ、行きましょうか」 「水野さん」 「はい」 俺が足を止めて、水野さんを真っ直ぐ見つめると、彼女も足を止める。 別に大したことを言うつもりもないのだが、大それた雰囲気が流れてしまう。 妙に緊張している。 「水野さん。俺、ここから運転代わりますね」 「え。いえ、大丈夫ですよ?」