お台場では、少しショッピングをして、ドライブを楽しんだ、
もちろん、お約束の観覧車にも乗っている。

ショッピングでは、服は会社関連の服(社販がきく)を購入する為、
見て楽しむだけ。

3時ぐらいに寄った紅茶専門店では、私が支払った為、
少し困った顔をしていた。

「デートなんだし、少しぐらいプレゼントさせて」

拗ねたような声がかかる。

くすくす笑いながら。

「お昼はごちそうしてもらいましたから」

先ほど、ジュエリーショップでネックレスが気に入りながら、
値段が高く購入をあきらめたのが、気になるらしい。

藤沢さんは、買ってあげるよと言われたが、やんわりと断り店を出た。

人によっては、高級品を買ってもらい、自慢したい人もいるかもしれないが、
私は到底そんな気分にはなれなかった。

むしろ、別れたとき、思い出の品が残ってしまい、
高級品だけに、処分したくても、
なかなかできないとう問題を抱えそうで困ってしまう。

楽しい時間はあっという間で、5時になっていた。

「帰り遅くなっても大丈夫?」

「明日も休みですし、大丈夫ですが」

「良かった、だったら夕飯も一緒に食べよう、観覧車も夜になってから、
もう一度乗りたいんだ」

「わかりました」

すると、ため息が聞こえる。

「もっと、くだけた話し方してくれていいんだよ。彼女なんだから」

「わかりました」

と答えて、はっとなる。

「えっと、わかったわ?」

「そうそう、そんな感じ」

「手つないでも?」

こくりとうなずいて、肯定する。

するりと、右手が大きな手に絡められた。

手をつなぐなんて何年ぶりだろう、大学2年の時、
別れた彼氏とつないでいて、それぶりかな?

少しこそばゆい気持ちになりながら、不思議と安堵感を覚えていた。