月曜日、買ってもらった新しいスーツに身を包む、
鞄は1万で買ったブリーフケースではなく、本革のメーカー品である。

今までとの違いに、戸惑うものの、せっかく用意してもらった物であり、
文句をいうのも申し訳なく、使わせてもらう。

出社は、さすがに電車で行くと言ったが、
アパートを荒らした犯人も分からず、何かあったら亡くなった
両親に申し訳ないとお父さんに言われ、
逆らえず、お手伝いさんに送ってもらう事になった。

ちなみに、藤沢家に来た時から、お父さん、お母さんと
呼んで欲しいと言われており。
恋人という立場上、両親をがっかりさせたくないという気持ちもあり、
逆らわすにいる。

そういえは、どうして直哉さんは15人の彼女と別れたんだろう、
優しくて、かっこよくて、両親も素敵だし、思い当たる所がない。

返事を全く期待しないながらも、京子さんに、この内容をラインにいれてみた。

職場では、服装の違いに、少し視線を感じながらも、
相変わらず、余計な雑談などなく、ピリリとした空気の中、仕事に打ち込んだ。

総合職で、仕事は厳しく、集中力を必要とされるが、
逆に長時間労働は効率が落ちるという考えから、
帰宅時間は一般職と変わらない。

ただ、勤務時間だけでは勉強や情報収集が間に合わず、
帰宅後も、仕事の時間に充てるのは、いつもの事だった。

帰宅後、直哉さんは仕事関係の人との食事の為、一人で食べて、
情報収集の為、英語で書かれた新聞を読んでいた。

すると、京子さんからラインが入ってきた。

『直哉さんは、自分の思い通りにする所があるから、
そこが気にならないなら、やっぱり相性いいんじゃないかしら』

との事。

強引にネックレス買ったとことか?

でも、確かに高額すぎてびっくりしたけど、
プレゼントされたら普通嬉しいだろうし。

やっぱりよくわからないままだった。