「だって、まだ知り合ったばっかでしょ?
急にこんなことしたら迷惑かなって...。
それに.......。」

マキちゃんはそう言いかけると、遠くにいる三島くんをチラッと見た。

「あ......!」

そこには、女子数名に囲まれてる三島くんの姿があった。

「アキくん、意外とモテるんだよね。」

マキちゃんは、ため息混じりにそう言った。


タタタタタタタッ!!


「あれ?マキちゃん!アレ見て!」

三島くんと話してた女子達が、駆け足でグラウンドから出ていく姿が目に映った。

そして、偶然にもあたし達のすぐ横を駆け抜けていった。


「今日もアキくん受け取ってくれなかったねー。
せっかく差し入れ持ってきたのに。」


通り過ぎざまに、聞こえてきた言葉。

マキちゃんはそれを聞いたからなのか

「リセ、今日は帰ろっか?」

と、少し寂しそうに言った。