キャンドルの炎もすっかり燃え尽き、朝日がベッドに差し込んだ。

目を覚ましたマナミははっと何かを思いつき、飛び起きた。

「佑介さん、あたし帰らなきゃ!10時に成田なの!」

「ああ…今日か。」

大声で起こされ、機嫌悪そうな佑介に遠慮なく、マナミはバタバタと急いで身仕度をした。

「もう行くね!」

「楽しんでおいで。」

「ありがとう。またね!」


佑介は目を擦りながら時計をちらっと見てため息をついた。

ガチャンという扉の音の後に、小走りのヒールの足音だけが響いている。

「マナミ…」

身体を起こすともうマナミは見当たらなかった。

「今日のために金が必要だったんだな。ちゃっかりしてるなぁ。」