でもこの仕事、だいぶ前から指示されていたらしく、明日の朝が締め切りらしい。
もし出来ていなければ、確実に困る人がいる。

私はファイルを手に取り、入力し始めて愕然とした。
仕事量が多すぎる…。

間違いなく１時間やそこらでは終わらない。
なんで今まで手つかずだったのかと怒りがこみ上げてくる。

そんな彼女は定時になると、さっさと帰ってしまった。

誰かに手伝ってもらおうかと周りを見渡したけど、今日は上司が会議でいないし、戻ってこないとなると、早めに帰ろうって感じらしい。
助けをお願いする雰囲気じゃない。

とにかく一分一秒が惜しい。
集中力をフル稼働させて、残業に突入した。

それにしても、２時間経ってやっと半分となると、午後９時頃には終わるかな。

「今日はサクラの仕事がなくて良かった」

思わず口に出してしまったことにハッとなって、口を手で覆った。

いけない、集中！集中！

再びキーボードを叩き始めた。