圭吾との出会いは、ちょうど2年前の冬。
私がまだ高校生の時だった。
『彼は新しい秘書の真崎くんだ。なかなかいい男だろ?』
大手不動産会社の社長を務める父が、会社の創立記念パーティーの会場で圭吾を私に紹介したのだ。
『真崎といいます。これから、自宅の方にもお邪魔するかと思いますが…どうぞ宜しくね』
そう言って、にっこりと微笑んだ圭吾。
その甘く整った顔立ちは、まるで王子様のようで。
私は一瞬にして心を奪われてしまった。
憧れは、すぐに本気の恋へと変わり。
『好きです。私とお付き合いをしてもらえませんか?』
とうとう、私は告白したのだ。
6つも年下の高校生なんて、きっと相手にされないだろうと玉砕覚悟だったけれど。
圭吾は快く応じてくれた。
『僕でよければ喜んで。佐奈ちゃんのこと、ずっと大事にするね』
そんな言葉をもらえた時は、感極まって彼の胸で思いきり泣いてしまった。
父も応援してくれて、私達の交際は順調にスタートした。
5年前に母を事故で亡くしてから、私はずっとふさぎ込んでいたけれど。
圭吾のおかげで、ようやく笑えるようになったのだった。
そして、
19歳の誕生日を迎え、
圭吾と初めてのキスを交わした。
『キス以上のことは佐奈がハタチになってからな。社長と約束しちゃったから』
圭吾からそう言われた。
私はキス以上のことがどういうことなのか、あまりよく理解していなかったのだけど。
きっと、それは尊い行為で。
圭吾との愛の絆が深まることなのだろうと思った。
だから、私はハタチの誕生日が来るのを、ずっと心待ちにしていた。
それなのに、
お酒に酔って台無しにしてしまうなんて。
本当に何やってるんだろう…私。
バスタブに浸かりながら、何度も後悔のため息をついたのだった。



