僕はどうやら捨て子と言われる類の人間で、
マフィアのアジトの真ん前に捨てられちゃった。

物心がついたときには、人を殺して生きていくのが当たり前になってて、なんの違和感もなかった。






僕は英才教育を受けて来たから、天才に育っていった。
ちょっと自意識過剰かな?

今から二週間前だったかな。

日本の政治方針に反対意見だった僕らは、人質取って政府に訴えようとしたの。
まぁ、いつもの流れ~って感じ。

人質はあくまで道具だから殺す気はないけど、
あんまりうざかったら殺す気でいた。


そんとき、涼に出会った。

僕らを捕まえようとしてたんだろうけど、
なんつったって僕らはマフィア。

そして僕は天才。

捕まえられるわけないっての。



「待てっ!!人質を解放しろ!!」

「えー?どーしよっかなー??w」


我ながらゲスいと思う。

なんでもすぐに煽るクセ、なんとかしないとなぁー。




「アンタらの目的は何だ。」



「そうだなぁ、政府へ不満があるから…
 みたいな?」


「だからってこんなこと…!!」


「許されちゃうの。
 だって僕らはマフィア様だからさぁ。」


「政府は今、大変忙しいんです。」

「えー。じゃあじゃあ~、
 その代わりと言ってはあれだけどー、
 アンタ僕とお友達になってよ~w」




「はい、わかりました。」





…は?


「冗談だし、馬鹿なの?
 職務上のあれそれとか考えなよ。」

「プライベートですから問題ありません。」

「いや、いやいや。」


「言い出しっぺが何を今更。」

「…そうだね、僕らはお友達だもんね。
 じゃあ、お友達とのお約束~!

 もしアンタが僕を陥れるようなことしたら
 僕はアンタの身内を全員潰す。いいね?」


「では僕からも。
 
 プライベートのときは、普通の友達でいる
 こと。武器の所持は駄目ですよ。」


「はいよ。じゃあまたね。
 そのうち会いに行くよ。」



「はい。」
 





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




「で、本当に会いに来たんですか。」

「だってほら、僕会いに行くって
 言ったじゃんね?ね??」

「…まぁ、そうですけど…。」

「んで、アンタの名前聞いてなかったから、
 教えてよ、なーまーえ。」

「…秋月、涼…です。」

「僕はね、天羽って言うの!」

「あもう…?名字ですか?
 珍しいですね…。」

「僕が付けたからね!」


僕は涼の住んでいるアパートに来た。

有言実行…ってね!


部屋は綺麗だし料理出来るし、
 
顔面偏差値いい感じだし。

涼って案外いい奴だわー。


「ソファ座っててください。
 飲み物持って来ますね。」

「おーありがとー。」



…アイツ行ったか?



これ、僕一度やってみたかったの。

ベットの下のお宝探しをね。